中小企業の経営者に届く広告はどれ?BtoB商材の広告媒体を「誰に届くか」で選ぶ
中小企業向けのBtoB商材を広告で売ろうとすると、「クリックはされるのに、問い合わせてくるのは決裁権のない人ばかり」「そもそも経営者に届いている実感がない」という壁にぶつかりがちです。
原因の多くは、広告の中身ではなく媒体の選び方にあります。広告媒体によって、届く相手も、絞り込める条件も大きく異なるためです。
この記事では、中小企業向けのBtoBマーケティングを支援する株式会社アイジールが、中小企業の経営者・決裁者に広告を届けるための媒体を「誰に届くか」という軸で比較し、自社に合う媒体を選ぶための質問を紹介します。
中小企業の決裁者に広告が届きにくい理由
検索広告は、課題に気づいた人にしか届かない
検索広告(リスティング広告)は、ユーザーが検索したキーワードに合わせて広告を表示します。すでに課題を自覚し、解決策を探している人に届けられるため、成果につながりやすい手段です。
一方で、検索広告が届くのは「検索した人」だけです。中小企業の経営者は、日々の業務に追われて課題があっても自分から調べていないことが少なくありません。新しい考え方に基づくサービスや、まだ認知されていない課題を扱う商材では、そもそも検索されないため、届けられる相手が限られます。
また、検索しているのが経営者本人なのか、情報収集を任された担当者なのかは、キーワードだけでは区別できません。
SNS広告は、役職・会社規模による絞り込みの精度が低い
SNS広告は、年齢・性別・興味関心などで配信先を絞り込め、多くの人に低い費用で届けられるのが強みです。
ただし、多くのSNSは個人向けのサービスのため、「どの会社の、どの役職の人か」という情報を正確に持っているとは限りません。「経営者」「従業員50名以上の会社」といった条件で絞ろうとしても、実際には条件に合わない人に広く配信されることが多くあります。
その結果、「年代や地域は合っているが、自社の商材を導入する立場にない人」からの反応が集まり、反応の件数は多くても商談につながらないということが起こりがちです。
「誰に届くか」で媒体を比べる
中小企業の経営者・決裁者に広告を届けるための代表的な手段を比べると、次のようになります。
| 手段 | 主に届く相手 | 会社規模・役職での絞り込み | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 検索広告 | 課題を自覚して調べている人 | できない(キーワードで絞る) | 検索される課題・商材 |
| SNS広告 | 個人として利用している幅広い層 | 精度が低い | 認知の拡大、個人の関心に訴える商材 |
| ビジネス系メディアの広告 | そのメディアの読者 | メディアの読者層に依存 | 読者層と対象が一致するとき |
| ビジネスチャットの広告(Chatwork広告) | 仕事でChatworkを使う中小企業のユーザー | 企業規模・役職などで絞り込める | 中小企業の決裁者に届けたいBtoB商材 |
| FAX・フォーム営業 | リストに載っている会社 | リストの作り方次第 | 業種・地域で対象の会社が決まっているとき |
それぞれの特徴を見ていきます。
検索広告
強み: 課題を自覚した人に、そのタイミングで届けられます。問い合わせにつながるまでの距離が近く、成果地点を検討の進んだ段階に設定しても成立しやすい手段です。
弱み: 検索されない商材には使えません。人気のキーワードはクリック単価が高くなりやすく、検索している人が経営者本人かどうかも区別できません。
向いている商材: 「◯◯ 補助金」「◯◯ 外注」のように、課題や解決策が検索されている商材です。
SNS広告
強み: 配信量が多く、画像や動画で商材を印象づけられます。少額から始めやすく、テストを繰り返しやすいのも利点です。
弱み: 会社規模や役職で正確に絞り込むのが難しく、BtoB商材では「商材を導入する立場にない人」からの反応が混ざりやすくなります。
向いている商材: 経営者個人の関心(採用、健康、節税など)に訴えられる商材や、まず認知を広げたい商材です。問い合わせを受けた後に、会社規模や役職で分類する前提で使うと失敗しにくくなります。
ビジネス系メディアの広告
強み: 経済ニュースや業界情報などがビジネス目的で読まれている媒体に掲載できます。記事広告であれば、商材の背景まで丁寧に説明できます。
弱み: 届く相手はそのメディアの読者層次第です。大企業の担当者が多いメディアもあれば、特定の業界に偏ったメディアもあります。掲載には、まとまった費用がかかることが一般的です。
向いている商材: 対象とする業界や職種と読者層がはっきり一致するメディアがある商材です。
ビジネスチャットの広告(Chatwork広告)
強み: 中小企業を中心に使われているビジネスチャット「Chatwork」内に広告を出せます。公式に公開されている数値では、登録ID数は809.4万、導入社数は99.0万です(2026年12月期第1四半期の決算説明資料より)。企業規模・業界業種・役職などの属性で配信先を絞り込めるため、「中小企業の経営者に届けたい」という目的と相性が良い媒体です。
弱み: ビジネスユーザー向けの媒体なので、一般消費者向けの商材には向きません。運営会社のサービスと競合する商材は掲載を断られる場合があるほか、配信までに入稿や審査に時間がかかります。
向いている商材: 中小企業の経営者・決裁者が導入を決めるBtoBサービスです。詳しくは「Chatwork広告とは」の記事で解説しています。
FAX・フォーム営業
強み: 業種や地域で対象の会社をリスト化し、狙った会社に直接届けられます。特にFAXは、中小企業では経営者や事務の責任者の目に触れやすく、業種によっては今も反応が見込める手段です。
弱み: 成果はリストの質で大きく変わります。受け手にとっては一方的な連絡になるため、送り方や頻度、配信停止の受け付けなどに配慮が必要です。問い合わせフォームでは、利用規約で営業目的の送信が断られていることもあります。
向いている商材: 建設業・介護事業者など、業種と地域で対象の会社がはっきり決まっている商材です。
媒体を選ぶための3つの質問
どの媒体が合うかは、商材によって変わります。次の3つの質問に答えると、候補を絞り込みやすくなります。
成果地点をどこに設定するか
資料請求・問い合わせ・無料相談・商談など、広告から何を得たいかを先に決めます。
課題を自覚した人からの問い合わせが欲しいなら検索広告、まだ課題に気づいていない決裁者に知ってもらいたいなら、属性で絞り込める媒体やリストに載っている会社への直接アプローチが候補になります。
1件あたりいくらまで支払えるか
受注1件あたりの利益から逆算して、問い合わせや商談1件にいくらまで払えるかを決めておきます。
1件あたりの費用が安い媒体でも、商談につながらない反応ばかりなら、結果的に高くつきます。反対に、1件あたりの費用が高く見えても、決裁者からの反応が多く商談につながりやすい媒体なら、受注1件あたりでは安くなることがあります。比べるべきは「1件あたりの費用」ではなく「受注1件あたりの費用」です。
会社規模・役職で絞る必要があるか
商材の対象が「従業員◯名以上の会社」「経営者」のように会社単位・役職単位で決まっているなら、その条件で絞り込める媒体を優先します。
一方、個人の関心で選ばれる商材や、会社規模を問わない商材なら、絞り込みの精度よりも配信量や費用の安さを重視した媒体選びが合っています。
まとめ
- 中小企業の決裁者に届きにくいのは、広告の中身より媒体の選び方に原因があることが多い
- 検索広告は「課題を自覚して調べている人」、SNS広告は「個人として利用している幅広い層」に届く
- 会社規模や役職で絞りたいなら、ビジネスチャットの広告やリストに載っている会社への直接アプローチが候補になる
- 媒体は「成果地点」「1件あたりに払える金額」「会社規模・役職で絞る必要があるか」の3つで選ぶ
- 比べるべきは、問い合わせ1件あたりではなく受注1件あたりの費用
1つの媒体ですべてを賄う必要はありません。検索広告で「今探している人」を取りこぼさず、属性で絞れる媒体で「まだ探していない決裁者」に届けるなど、届く相手が異なる手段を組み合わせることで、中小企業向けのBtoBマーケティングは安定しやすくなります。
中小企業向けのBtoBマーケティングでお悩みの方へ
株式会社アイジールは、中小企業向けのBtoB商材を中心に、広告媒体の選定からクリエイティブ・LPの制作、FAX・フォーム営業を含むアプローチの設計、配信後の改善までを支援しています。
「自社の商材では、どの媒体から始めるべきか」という段階からご相談ください。合わない媒体は、合わないとお伝えします。
「Chatwork」は株式会社kubellの商標または登録商標です。本記事は当社が独自に作成したものであり、各媒体の運営会社が本記事の内容を保証するものではありません。記載の内容は2026年9月時点の情報にもとづいており、変更される場合があります。